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心霊住宅情報館

一見、何の変哲もないアパートの一室。しかし、その部屋に住み始めた者は、必ず一年以内に死亡するという。呪われた部屋として近隣の人々が恐怖するその部屋の霊的因縁とは!?

第18物件 一年以内に必ず死ぬ部屋……(大阪府O市)

一年以内に必ず死ぬ部屋…… 新たに部屋を借りたり買ったりする際、自殺や他殺事件が起きた瑕疵物件であれば当然、法律上の告知義務がありますし、賃貸料や販売価格の異常な安さからもだいたいの推測ができるのです。ただ、前の住人が病死を含む自然死をした場合、その限りではありません。室内で孤独死したまま放置されていたなどの特殊なケースを除けば、仲介業者や大家が「前にこの部屋を借りていた人は、残念ながら亡くなりました」などとはまず言わないわけです。

以前、長期の仕事で関西に滞在していた時、私のことを聞きつけたアパートの大家さんからいきなり面会の申し出があり、空いた時間にお話を伺いました。「じつは私が経営しているアパートのひとつに難儀なのがありまして」「具体的には何が起きるのですか」「いや、ちょっと言いにくいんですが、その部屋の借り手がみんなすぐ死んでしまうんですわ」大家さんによれば、問題の部屋はその建物の二階の片隅にあり、日当たりも風通しも申し分ないのだが、なぜか住み始めた店子がすぐに健康を害してしまう。しかも元から持病を抱えていたというのではなく、その部屋に住み始めてから命に関わるような重病に罹ってしまう。そして入院すると、もう二度と帰ってこない。たまにそうならない住人もいるが、その場合は不慮の事故などで死んでしまう。今では近隣にまで噂が広がり、死神アパートと呼ばれて恐れられるようになってしまった、と。ちなみに今まで一番長くもった店子は一年で、大概は半年程度で死んでしまうのだそうです。

その後、問題の物件へ足を運びました。現場は一見、何の変哲もない四階建ての鉄筋コンクリート造りのアパートで築年数は十八年。人の死が連続するという部屋を除けば、そこそこ人が住んでいる様子でしたが、大家さんは苦虫を噛み潰したような顔で言い捨てました。「酷い噂が広がったもんで、借り手が足許を見てくるんですわ。他の部屋では死なへんし、こっちが相場より安く貸すと踏んで、シブチンどもがぎょうさん集まってきおって」何はともあれ、まずはその室内を見るため二階へ上がりました。しかし、いざドアを開いたものの、そこから先に進むことは叶いませんでした。室内全体に忌まわしい外法の結界が張られていたのです。

アパートが建った時、最初にこの部屋を借りたのはどんな人ですかと訊くと、占い師をしている男だったという答えが返ってきました。「生きてこの部屋を出て行ったのは、後にも先にもその男だけですわ」恐らくそれは普通の占い師ではなく、客の依頼で呪いを代行する祈祷師の類だったのでしょう。彼は呪詛に使うパワーを保持するための生贄を集める罠として、その魔的な空間を作り上げていたのです。「これは建物ごと取り壊すしかありません。少なくとも私の手には負えません」と正直に言うと、大家さんはがっくりと肩を落としました。その後、このアパートがどうなったのかは知りません。

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