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心霊住宅情報館

無数の生首が屋内を飛び回る!同業の霊能者から「自分の手には負えない」と助けを求められ、地方都市の一軒家を訪れた霊能者。無気味な霊現象の源はすぐに突きとめることができたのだが……。

第38物件 首の家……(静岡県Y市)

首の家…… 同業者のFさんから、力を貸して欲しいと請われたのは三年前の夏のこと。詳しく話を聞くと、婚期の遅れで悩んでいる三十代後半の女性の相談に乗ったところ、強い霊障を受けている痕跡が見受けられたので、自宅へ赴いてお祓いをしてあげた。しかし憑依霊を祓うことができなかったばかりか、強力な怨念霊を下手に刺激してしまったために霊現象まで起きるようになってしまった、と溜息混じりに経過を伝えられました。

後日、現地へ向かい、Fさんと一緒に現場の家を訪問しました。海に近い市街地にある木造の古びた一軒家の呼び鈴を押すと、最初に相談してきた娘さんとその母親という六十代の女性が出迎えてくれました。相談者はFさんを見るなり、「先生、また昨日も出ました。寝ている最中に……」と言いかけたまま喉を詰まらせました。お祓いの祈祷を受けてから、多数の生首を見るようになってしまったとのことでした。「多い時には一日に数回見ます。夜、寝る時に女の生首が天井近くに浮いていたり、お風呂に入っていると窓から男の生首が覗いていたり……もうノイローゼになりそうです」。

続いて彼女の母親も、私は見たことがないのですが、と前置きをした後、「じつはこの家、昔からいわくがあるのです。元々は昨年他界した夫が親から相続した家なのですが、その義理の両親が生きていた頃には近所から『首の家』と呼ばれていたと聞きました」と、今まで実の娘にも告げたことのなかった秘された事実を告げられました。家の塀の上に女の生首が並んでいるのを見た、あるいは真夜中に宙を舞う生首がこの家の中へ吸い込まれるように消えていった、かつて界隈ではそんな噂が絶えなかったそうです。

私はFさんとともに、屋内の調査を開始しました。ほどなくして二階へ通じる階段下の納戸から、恐ろしく強烈な瘴気が漂っていることに気づき、収納されている大小の家財を四人がかりで外へ引き出しました。「あら、これ何かしら」そう言いながら母親が指差したのは、納戸の最奥にしまわれていた細長い木箱。その蓋を開けたとたん、Fさんと相談者の女性が悲鳴を上げながら大きく飛び退り、私も思わず絶句してしまいました。その中で唯一、霊感の乏しい母親だけがきょとんとした顔で立ち尽くしていました。老若男女の無数の生首が箱の中から一斉に飛び出し、屋内を飛び巡り始めたのです。慌てて祓魔の儀を修して乱舞を鎮めたものの、生首の一体一体を浄化するには至らず、悔いの残る結果となりました。ちなみに箱の中身は骨董と思しき日本刀で、人数の血を吸っていることが霊視できました。相談者の父親も先代の義父母も他界しているため、刀の由来は不明のままです。

Fさんは今でもこの家を含めた近所の土地を回り、定期的に浄化の行を続けています。というのも、この一件以来、ご近所で生首を見たという人が続出してしまったからです。今や生首の霊たちは元の住処を離れ、周辺を自由に飛び回っているようです。

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