霊感・霊視専門の電話占い 天女~てんにょ~

心霊住宅情報館

入居した部屋に残る前の住人の痕跡。それは例えば家具であったり、カーテンであったり、あるいは型の古いクーラーであったり……。とくに賃料の安いアパートなどではありがちな話ですが、稀にとんでもない置き土産を残されることもあるようです。

第41物件 前住人の遺物……(神奈川県Y市)

前住人の遺物…… 借り主の退去ごとにハウスクリーニングを行う賃貸マンションの類はともかく、個人大家が経営する小さなアパートなどに入居すると、以前の住人が残していった家具や空調設備などがそのまま置かれているということがよくあります。このシリーズでも、そうした前住人の持ち物が原因で起きていた霊現象について何度かご紹介してきましたが、つい先頃もそれらと似たケースに出くわしました。ただし、ひとつ違っていた点は当の前住人自身も、自分が残していった物品について感知していなかったということでした。

場所は神奈川の中心都市であるY市の住宅街にある二階建てのアパート。そこの2階部分の一室に女の霊が出没するという話で、現地に赴くと早速、大家さんから詳しい事情を聞かされました。

「入居者が頻繁に入れ替わるようになったのは五年前の夏からです。その頃から変な噂が近所まで広まってしまって、もう二年近く空室のままです。家賃を下げたり、内装を新調したりと色々苦心したのですが……。とにかくかなり凄まじいのが出るみたいで、一番早い人は入居して三日で出て行きました」。そう語る大家さん自身は半信半疑の態度でしたが、いずれにせよもう神頼みしかないと悟り、知り合いの不動産業者を通じて私に依頼したそうです。

歴代の住人から訴えられた苦情の内容を総合すると、まずそこに居着いている霊は二十代前後と思しき若い女の姿。薄手のワンピースを着た全身が血塗れ、おまけに片目が損傷して飛び出している恐ろしい形相とのこと。それが夜、昼の区別なく、居室内や浴室に突然現れ、ケタケタと笑いながら住人に襲いかかるというのです。

まさにホラー映画さながらの話でした。さすがに誇張があるのではと疑ったのですが、その後、問題の部屋に乗り込んですぐ、説明された通りの霊体に出くわしてしまい、さすがの私も一瞬怯みました。玄関を開けてすぐ、逆さまにぶら下がった女の顔が目前に飛び出してきたのです。反射的に九字を切り、身をかわしたものの、相手が霊能者や行者であろうと見境無く襲いかかってくる様子から、呪術で練り上げられた人工的な想念霊ではないかと直感しました。

一時的に問題の霊体を封じた後、室内をくまなく霊査し、程なくして呪術の依代と思しき物品を見つけることができました。そこのアパートは各室のドア部分の下方にポストがついている仕様だったのですが、そこから異様な強さの霊気が放出されていることに気づいて調べてみたところ、薄い金属板を乗せた二重底になっており、その下から呪符と髪の毛が見つかりました。

五年前かそれ以前に退去した住人を呪殺する目的で、何者かが仕掛けた罠でした。呪われていた対象人物は若い男性で、仕掛けた側はそれよりも年上の女性と思われます。依代の髪の毛はどこかで自殺か、事故死した別の女性の遺物らしく、複雑な色恋沙汰が関係しているようでしたが、過去透視で読み取ることができたのはそこまででした。入居に当たって、ドアポストが二重底かどうかまで調べる人はまずいないと思います。人間の盲点を突いた恐ろしい仕掛けでした。

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