今回ご紹介するのは、墓地の跡地に建てられたと言われているマンションで頻発する怪奇現象。複数の住人に目撃されている不気味な霊の正体とは……?!
知り合いの不動産業者から賃貸用のマンション物件でおかしなことが起きているので、ぜひ一度見て欲しいと依頼されたのは、昨年の秋のこと。しかしその後、先方から急に取り消しの連絡が入り、そのままになっていました。そして今年に入り、再び同じ業者からあらためて霊視の依頼を受けたのです。場所は東京のベッドタウンであるK市内に建つ10階建てマンション。現地に向かうと社長自らが出迎えてくれました。
なぜ一度断ったのかについても、その時に説明されました。「どういうわけか分からんのですが、ここのマンションが建っていた場所は昔、墓場だったという噂が流れていましてね。もちろん、そんな事実はないんですが、そこに霊能者の先生を呼んだなんてことになったら、ますます噂が大きくなって余計に借り手がつかなくなると思いましてね」。しかし、異常な現象があまりに起きすぎるので、これは専門家の手を借りるしかないと決心したそうです。
具体的にどんなことが起きるのかというと、
「暗い階段の上の方から、丸坊主の男の生首が転がってきたんだそうです……」。社長は苦虫を噛み潰したような顔でそう漏らしました。私はさっそく建物内に入り、一階から順番に霊視して回りました。その結果、このマンションの建物を霊道が貫通しているということが分かりました。霊道とは、読んで字のごとく、霊体の通り道です。多くは風水的な気の流れとも関連し、地磁気やその他の自然エネルギーの波動の流れに沿って発生します。マンションの裏手は広大な丘陵地帯になっており、霊道はそこから伸びてきている太い地脈に沿って形成されているように見受けられました。その流れの方向がちょうどマンションの建物の三~五階部分を貫く形になっていたのです。
私は解決策として霊道の流れを逸らす術を施しました。上手く行ったとは思うのですが、あくまで一時的な対処療法なので、数年もすればまた元に戻ってしまうでしょう。その点については社長にもきちんと告げ、今後も定期的に状態を見に来て、必要があれば術を補強するという約束をしました。余談ですが、霊視中に問題の建物が紀元前後の遺跡の跡地に建設されていることも分かりました。ここには古代の祭祀場もあったようです。「墓場の跡地」と言う噂のルーツはこのことかと納得しました。
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