霊感・霊視専門の電話占い 天女~てんにょ~

心霊住宅情報館

新たな引っ越し先での第一夜から、ほぼ連続して同じ夢を見るようになってしまった独身サラリーマン。その夢には必ず同じ女が現れ、彼を手招いてどこかへ連れて行こうとする。そしてある晩、ついに……。

第39物件 悪夢部屋……(千葉県M市)

悪夢部屋…… 前田さんという三十後半の独身男性の話。千葉県の県庁所在地近くに実家があり、就職以来、ずっとそこから都内の会社へ通っていた彼は、秋の異動で以前の職場より遠距離にある新たな営業所に転属されました。実家の最寄り駅からそこへ通うとなると四回以上の乗り継ぎをしなくてはならず、この際、通勤時間を大幅に短縮しようと同じ県内での引っ越しを決めたそうです。

新たな引っ越し先は駅から徒歩圏内のマンションで、JR線に乗って川を渡ればすぐ都内という好立地。おかげで通勤時間が以前の三分の一まで短縮することができました。当初、本人は「これで前より一時間以上多く睡眠が取れる」と大満足だったそうです。しかし、一週間も過ぎた頃には、睡眠が十分に取れるどころか連日の寝不足で体調までおかしくなってしまったのだ、と。「引っ越したその晩からおかしな夢を見るようになったんです。気味の悪い内容で、しかも毎晩のようにその同じ夢を見続けるようになってしまって……」。見知らぬ女に追いかけられる夢。その夢の中で前田さんはいつも街角の夜道を歩いており、しばらく行くと薄暗い電柱の影に一人の若い女が佇んでいる。年齢は二十代半ばくらいで髪が長く、夜目にもなかなかの美人と分かる容貌。ただ夢の中の季節は夏であるはずなのに、女はいつも桃色のトレンチコートを纏っており、それが前田さんの姿を見つけると必ず手招きをしてくるのだと。

「最初はこちらもね、何となく浮き浮きした気分なんですよ。何しろ美人ですからね。でもね、近づくにつれて様子の違和感に気付くんです。コートの色はじつはピンクではなくて、元々の白い生地がまだらな赤に染まっているって。たぶん、血痕の染みだなって分かって、急に気味悪くなって足を止めると今度は女の方からこっちへ近づいてきて……」後はうなされて目が覚めるまで、誰もいない夜道を延々と追いかけられ続けるのだと、憔悴した顔付きで漏らしました。「いつかあの女に追いつかれるんじゃないかなって、怖くてたまらないんですよ。もしそうなった時、果たして俺は無事でいられるのかなって」。

その後、前田さんの新居を検分する日取りを決めて電話を切りました。引っ越しをきっかけに悪夢が始まったということは、部屋自体に何らかの霊的因縁が潜んでいる可能性が高いと思われたからです。しかし、私が彼の部屋を訪れることは叶いませんでした。それから約二週間後、再び前田さんの携帯に電話を掛けると本人ではなく実家の母親が出たのです。そして「息子はつい先日、事故で亡くなりました」と告げられました。それ以上、詳しくは訊きませんでしたが、恐らく事故ではなく自殺だと思います。霊視のビジョンにはっきりとその様子が現れましたので。

後日、知り合いの不動産業者を通じて前田さんが借りていた部屋の情報を照会したところ、過去に四人、同じ部屋の住人が自殺しているという事実が判りました。いずれも屋外で自殺したため、部屋自体は瑕疵物件とはならなかったのです。ちなみに最初の自殺者は元モデルの美しい女性だったそうです。

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